「星影のワルツ」を替え歌にして自慢げに歌う自民党武部。
「戦う~/こ~~と~は/つらい~け~/ど~~~/しかたが~/ない~んだ/きみのた~~/め~~~」
歌詞のしょうもなさはおいて。
この曲を右手を上下に振りながら二拍子で歌うのだ。会場の手拍子もぴったり二拍子。
ある意味すごい。
「/」をつけたところが三拍子の区切りだが、テレビの映像を見ると小節のあたまが交互に上と下の手に合致している。
言うまでもないが「ワルツ」は三拍子の曲だ。ウィンナ・ワルツやバレエのワルツは、はやい三拍子のため一小節を一拍でカウントする「一拍子系」のワルツだ。
「星影のワルツ」は、「テネシー・ワルツ」のようなスロー・ワルツで、ゆっくり「一、二、三」とカウントできる「三拍子系」ワルツと言える。
日本の古来からの民謡、童謡には三拍子はないと言われる。その理由について、いくつか俗説がある。曰く、二拍子は「田植え」のリズムだからだ、畳や土間から立ち上がるリズムが二拍子なのだ、など。あてにはならないが。
ヨーロッパにあるはやい三拍子系(八分の六なども含む)は、馬の「トロット」のリズムである、と言われる。「トットロッ、トットロッ、トットロッ、トットロッ・・・・」と言ってみるとその感じがわかる。馬に乗る文化の国ではこの「トロット」のリズムがあると言われる。
言葉のリズムも例えばマザーグースにあるこの歌。八分の六拍子。
Ride a cock-horse to Banbury Cross,
To see a fine lady upon a white horse;
With rings on her fingers and bells on her toes
She shall have music wherever she goes.
冒頭の「Ride a cock-horse」に「タッタタ タータ」のトロットが入っている。八分の六拍子の一小節。この歌詞を口ずさむだけで、はやい三拍子系の弾むリズムを感じる。日本語にはないリズムだ。
武部の宴会カラオケ風歌唱をみてそんなことを思った。