1998年頃、四万件以上の契約があったそうだ。俺が家を建てたのはその2年前。

1998年頃は利息が安く、2%ぐらいで借りられた。住宅金融公庫が扱っていた「ゆとり返済」または「ステップ返済」と言っていたように思う。最初は少なく払って10年後から多く払うような返し方。給料は10年も経てば上がっているだろう、という超楽観的な見通しのもとに設定されたローンだ。

俺はまさにその「ステップ返済」の住宅金融公庫のローンと民間の金融機関の住宅ローンを組んで家を建てた。借りた当初は10万円の返済、5年後から15万円の返済、というような内容だったかな?金利の関係で5年後からは13万円ほどの返済だった。あのまま続けていれば、今年からいくら払うことになったのだろう。考えると恐ろしい。

というのは、そのローンは事情があって全額返済したから。今は身軽になって住宅ローンとは無縁の生活だ。ラッキー!

TBSの「報道特集」で、いま自己破産したり自殺する人の中で、住宅ローンが払えなくなって追い込まれた人たちが少なくないことをやっていた。

1998年に売りまくった、日本版サブプライム・ローンとも言える「ステップ返済」の返済額が増えるのが今年だ。リストラや会社の倒産などで当初見込んだような収入が得られず破綻していく人がいるということだ。

この「ステップ返済」「ゆとり返済」を、公機関である住宅金融公庫が売りまくっていたことが問題なのだ。今は住宅金融支援機構と名を変え、借り手を支援するよ、と言い、主体的な責任を避けるような名前に変わっている。

そのうち、はじけるかも知れない。「ステップ返済」「ゆとり返済」自己破産。

俺も身をもってその感じがわかるだけに人ごととは思えない。

俺も「死の陰のを歩いて」きたわけだ。