もう9年も前だ。「朗読者」を読み、切なさに涙を流した。
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久しぶりに映画を見たくなり、この「愛を読む人」を見た。

15歳の少年と、36歳の中年女の切ない物語。本で読むと主人公の少年にすっと感情移入できるのだが、映画で見るとつらい。ケイト・ウィンスレットのごつい裸があまりにリアルで、少年の気持ちにうまく感情移入できない。優柔不断なまま大人になった主人公の行動も歯がゆい。

でもこれは原作通りなのだ。映像で表現する映画と本との違いはいたしかたない。

ケイト・ウィンスレットは、俺の好きな「エターナル・サンシャイン」で、キルスティン・ダンストやジム・キャリー、イライジャ・ウッドと好演していた。あのオレンジ色のパーカーが忘れられない。

今度の映画のケイトは頑張った割には報われない。ぜんぜんおいしいところがない。可哀想なほどだ。

「朗読者」は本で読んだ方がきっと感動する。ある秘密が二人の関係にサスペンスをもたらす。映画でも原作にない展開を付け加え、映画としてのまとまりをつけていた。それはそれで悪くない結末だったが、本で読んだときの衝撃と余韻は味わえなかった。映画と原作は違う作品なんだから当たり前だけど。

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